第21章 木ノ葉盆踊り 浴衣祭り
「カカシ先輩ー!お待たせ!さあ、行きましょう。」
バッと登場すれば、カカシ先輩はのんびりイチャパラを相変わらず飽きもせずに読んでいる。
淡いサックスブルー生地に細目ストライプ、そして黒く暗部の印であるマークがくデザインされている。その上から、丈が長く、火影である炎が描かれた茶羽織を着ている。シルエットがカッコいい…、大人の魅力が溢れている。いつもと違う姿を見惚れているが、カカシ先輩は、後少しで終わるから、と全然こちらを見ない。
私の浴衣姿が楽しみじゃなかったのかと軽く不機嫌になりながら、ズカズカ歩いて、ガシッと奪い取り本棚に直して、ニッコリ笑顔で笑った。
「さあ、行きましょう?」
再度言えばカカシ先輩は私を見て何故か吹き出して笑っている。腹が立ってきた。
「絶対、護衛暗部に見えないね、それは。」
「そうですか?ちゃんとお面つけてますし、ほら、クナイと手裏剣は巾着の中に入ってますし、背中には刀も背負っているし、バッチリです!」
「うーん、刀は置いとけ。可愛さが半減する。今日は一般客も大勢来られるんだからね。わかったね?」
「えーー……まあ確かにそうですね。仕方ないです、分かりました。でも絶対離れないで下さいね?紛れて狙われるかもしれないので!ね?分かりましたか?」
「はいはい、分かりましたよ。じゃあ行くよー。」
カカシ先輩は立ち上がって、出かける準備を始めて、玄関に向かった。
相変わらず危機感を感じていないのか、本当に危ないお方だ。
戸締りを確認して、期待を膨らませながら出発した。