第31章 ラスト
今日は、三十三回忌(丸32年後)となる。
あれから、もうこんなにも時間が経ったなんて不思議だね、とても良いお天気でお参り日和ね。子どもたちも結婚して其々家庭を持つようになり、孫もこの前一人出来て、私たちは孫に夢中です。
今日で年忌止め(弔い上げ)になるけど、私は来年もカカシ先輩とここにくるからね。
私たちしか貴方がここにいる事を知らないけど、大丈夫だからね。
貴方が、生きた痕跡は、わたしがずっと今も飾った写真と、ここにある神社、そして記憶しかない。
「さあ、カカシ先輩!帰りましょう!」
「ふ、お前いつまで先輩なのよ」
「先輩は先輩です!さあ帰りましょ、今日はそうめんな気分ですね、素麺食べましょう。」
そう言って手を繋いで、
親友にお別れをした。
大丈夫、大丈夫…忘れないから。
また、来年ね……