第21章 木ノ葉盆踊り 浴衣祭り
あの事件の話をしたのに、やっぱり護衛をちゃんとさせてくれなくて、毎日…恋人と暮らすように、カカシ先輩は私を甘やかしてくれている。
それでも、外に出る時は必ずそばを離れず、気配を警戒する最低限のお仕事はしている。本当は夜を護衛したいのに、これだけは頑なに断られている。
あの話をして、最近気づいたことがある。コネとあれから一度も会っていない。
最初の日は私の邪魔するように何回も来ていたのに、ぱったりといなくなった。
暗部の仕事が忙しくなってきたのだろうか。コネと長い時間共に仕事をしてきたが、こんなに会わなかった日は暗部に入隊してから一度もなかった。
彼は私と同じ日に暗部に入隊した同い年の男の子で、猫のお面には綺麗な真紅のラインが美しく入っている。
コネはお面を人前ではあまり取らない。たまに取った瞬間をシャッターチャンスのようにチラ見していた。
茶髪に涼しげな切長の瞳を灯した暗部一番の圧倒的なイケメンだ。後輩の何人かは彼の姿に気づいて想いを寄せている。
私が彼の顔を見ていれば、気持ち悪い奴だな、こっちを見るな、あっちに行け、しっしっ、といつも悪態をつかれていた。
カカシ先輩の方が百倍カッコいいから!っと大好きな人の名前をいつも出しては対抗していた。
いつも私をライバル視して、文句や意地悪な事ばかり言うから大嫌いだった。そういえば、あの子も嫌いだって言っていたっけ……。
だけど、彼はいつもそばにいた。
親友と同じくらい、コネも私のそばにいてくれた。
その事に気づいた時から、ずっと彼に会いたかった。ありがとうって言いたいのに、突然いなくなるように私の前から姿を消した。