第20章 思い出
私は、ボロボロ涙を流し微笑み、心から尊敬し愛する人を見つめた。
「あの…最期に笑った顔が…どうしても嘘だとは思えず、彼女も私を慕ってくれていたんじゃないか、友達だと思ってくれていたんじゃないか…そう思えば、もう…彼女を…これ以上、責める事が出来ませんでした。」
どうしても、あの思い出を破り捨てる事が出来なかった。
もっと一緒にいたかった…
そう思ってしまった……
「彼女が大好きだったんです。親友は…私とって何よりもかけがえのない、大切で…特別な友達でした。」
泣きじゃくるように話していれば、
カカシ先輩は、優しく手を繋いでくれた。
「ずっと苦しみ悩み
誰にも言えずにいました。」
祖母の話をして親友の話をして、
私は闇の意味を気づいた。
「どんなに辛く悲しい事があっても、傷つけられても、今まで経験した、あの楽しかった思い出は変わらない。ずっと、胸の中にあって、絶対に汚れることはない。忘れる事は出来ない。目を逸らして生きていく事を私には出来ない。」
目を閉じ、もう一度瞳を開けた。
その人との思い出が、強く深いほど
闇は深く鋭く残ってしまう。
それでも……
「自分に嘘をついて生きていく事は出来ない。やっと分かりました…。」
涙を零し、心が軽くなった。
やっと…親友の事を話せる人に会えた…
やっと…私の心を知ってもらえた。
やっと…彼女を想って涙を流せる……
やっと……、やっと…
やっと…素直に心から話をする事が出来る…
やっと……自然な気持ちで生きていける……
いつもそばにいてくれたね
ありがとう………