第19章 事件後
私は外では暗部の任務をしっかりこなしていたが家では、毎日のように思い出を捨てていた。外では亡くなった護衛暗部を思い出し、家に帰れば親友を思い出していた。
家の中は、彼女との思い出が多すぎた。
目を瞑れば、最期の笑顔がこびり付いて離れなかった。写真をひたすら破り捨てても、物を捨てても、意味がなかった。
初めて二人で近くの川に遊びに出かけた時に撮った写真
2人とも小さな子供みたいに笑いながら
撮影した。
全てを捨てても、全部を消しても
この写真だけは…
捨てれなかった。
亡くなった仲間を思えば捨てなければいけないのに…記憶から消さなくてはいけないのに、
奴は仲間を裏切り里を潰そうとした
残忍で卑劣な犯行をした犯罪者
そんな人間なのに。
最低で嘘つきで汚い人間なのに。
どうしても、
どうしても、
彼女を、
ベトレイを、
大好きだった親友を
最後の最後まで
どうしても
嫌いになれなかった。