第2章 準備
【火影邸:歴代火影様が里を治める為に住まう家】
緊急時、24時間すぐに対応出来るように設計され、火影様が直ちに指示を出せる、いわば司令塔ような場所でもある。
火影邸の建物外は、暗部では無い雇われた警備の人間が常に目を光らせている。建物内はより危険を伴う為、護衛暗部が常に警戒し、火影を命がけで護衛している。
【護衛暗部:暗部の最高地位】
暗部の中でも重要任務であり、
信頼関係が無ければ成り立たない。正に火影の側近であるため、知識や教養が必要とされる。
最低でも2人…………
せめて…あと1人欲しい………
(どうして私1人なの?意味が分からない!)
憂鬱な足取りで階段を上がり、重たいアパートのドアを開け、私は靴を脱ぎ捨てた。
部屋へ乱暴に入り、
奥のクローゼットから、一番デカい鞄を無理矢理引っ張り出し、服を強引に詰め込んでいる。
「なんで名前で呼ぶんだろう…」
不意にカカシ先輩が私の名前を呼ぶ声を思い出して疑問に思った。
暗部の名前を言っても、
私の名前しか呼ばなかった。
暗部ではネツキなんだから
そう呼んで欲しい。
そういえば、
ここのアパート…何ヶ月開ける事になるのだろう。
泥棒でも入ったらどうするんだ。責任は誰が取るんだ。
「………あり得ない………」
この怒りを全く罪の無い、
可愛い熊のぬいぐるみにぶつけていた。
(ムカムカするー!!)
殴る振動が部屋に
鋭く響いていた。