第14章 帰り道
「何?、何か言いたい事あるの?」
「え⁈いえいえ!何も……………」
相変わらず、カカシ先輩は鋭い。私の中がお見通しだ。
「焦らなくていい。のんびりいこうよ、先は長いんだから。」
「…………………はい。」
微かに口を開けて小さく、聞こえないぐらいの声を発した。
その言葉は
本当に小さくて、多分カカシ先輩には、まったく聞こえていないと思う。
それでも私にとって、
前に進む、未来へ向かう、
スタート合図の言葉だった。
涙目になり必死に頬を伝う事を我慢していた。
「さ、今日はピーマンづくしの料理だからねー、楽しみでしょう?」
カカシ先輩はウキウキ張り切っている。
「だーかーらー、ピーマン苦手なんですって!だけど、ワクワクしますね!朝のピーマン甘くて美味しかったし、期待してます!私も今日はお手伝いしますね。」
涙を拭きながら答えた。
「あれ、、そういえば料理作るの??」
「はい、暗部で働き出して一人暮らしが長いですからね。自炊はバッチリなんですよ。でも、作ってもらったご飯って本当に美味しいですよね、カカシ先輩の作ったご飯大好きなんです。明日は私が作りますからね?」
「ふふ、じゃあ、お言葉に甘えるよ。いいね、嬉しいよ。ずっとこんな風がいいね。」
今、夫婦のような会話している事に気がつきカーーっと赤くなってしまった。
その様子を見て
カカシ先輩も何故か照れて焦っていた。
「もー、照れなくていいから、辞めてよ。オレも照れちゃうでしょ?ほら、家に着いたよ。」
私は照れるのを
隠すように鍵を開けた。