第14章 帰り道
太陽がギラギラ輝いていた酷暑な日中に比べ、夜は陽が沈んだ事で、暑さがほんの少し静まり風が心地よい。
カカシ先輩とスーパーの買い物袋を持って火影邸へのんびりと歩きながら帰っている。
何故かカカシ先輩の方が重たい荷物を持ってくれている。
私は明日のパンと好きなカフェオレを。カカシ先輩はそれ以外全部。
もう私は護衛どころか、火影様に荷物持ちをさせている。
(もー、全然私の話を聞いてくれないんだから…カカシ先輩は!)
じわじわと
笑けてきてしまった。
「明日、カカシ先輩お休みなんですね!買い物のお付き合い、お願いしますね?」
「ああ、いいよ。なんかオレも楽しみになってきたよ。」
ニコニコ笑って私を見てくれて、私も、お面を付けているが、笑顔でカカシ先輩を見つめていた。
朝のヤマト隊長に言われた事を
思い出していた。
カカシ先輩にさえ、言えない心の闇。この悩みや痛みをオープンにするには勇気が必要で、その勇気が私にはまだ足りない。
あと少しの勇気があれば………
悩みを打ち明けるには
もう少し時間が必要だ。
( カカシ先輩…………
いつの日にか…、
言える日がきた時、私の話を聞いてくれませんか?
ほんの少しだけでいいんです。それだけで十分なんです。
そして、もし話をしてくれるのならば、
ほんの少しでいいんです。
私に教えてくれませんか?
カカシ先輩がずっと抱えていた心の悲しみを。 )
心の中で、カカシ先輩に聞いた。
いつか、自分から言える日が来ることを待っている。
もしかしたら、ずっと来ないのかもしれない。
それでも言える日を
待ち望んでいる。