第12章 闇
すると、ずっと黙って私とヤマト隊長のやり取りを見ていたカカシ先輩が、助け船を出してくれた。
「ま、ヤマト…お前も色々あったな。俺も、まぁラッキーじゃなかったよ。は、大丈夫だと思う。だからまぁ、自分から言いたくなるまで、そっとしておいてやれ。な?」
カカシ先輩の優しい声を闇の中から聞いていた。
「先輩が一番わかっているはずでしょう?闇を抱えて生きていく苦しみを。」
「ああ、そうだな。
だから待っているんだ。
が自分から話をするのをね。大丈夫、ヤマト、心配いらないよ。コイツは強いからね。」
そう言って頭をポンポンとした。
「先輩…分かりました。
、自分だけじゃない。みんなそれぞれ闇を抱えて生きている。君が気がつかないだけなんだ。わかったね?」
「…………ハイ…」
そう呟き、ヤマト隊長とお別れをした。
カカシ先輩の後を足元を見ながら歩いていた。
カカシ先輩は、何も言わなかった。ずっと黙って前を歩いていた。
いまだに、ここまで引きずっていることに恐怖を感じながらアカデミーに向かった。
カンカンと照り付ける太陽を背に感じ、自分の深く真っ暗な影を見ながら歩いていた。