第12章 闇
「……これは…自分の…自分自身の問題ですので…、お気遣いなく。」
低く、ゆっくり鋭い視線にならないように気をつけ、自分自身にも言い聞かせるように、丁寧にヤマト隊長に答えた。
自分の闇を、
カカシ先輩に知られた。
しかし、カカシ先輩は何も言わない。
知っていたようだ。
火影様の素晴らしい演技に感心する。知らないふりがお上手だ。
ヤマト隊長は、長年任務を共にした事もあり、私のことをよくご存知だ。
こういう反応になるのを知っているような素振りだった。
私をよく観察しておられる。
「そんな風になるって事は、
まだ自分の中で消化出来て無いようだね。僕も闇を抱えていたから、気持ちはわかるよ。カカシ先輩も同じだ。時間はかかると思うけど、負けないようにしないといけない。」
「………そうですね……
確かに……私はまだまだ未熟者ですね………」
自分の非を認めながら呟けば、
私は闇の顔つきに変わっている。
暗部の任務で、敵を暗殺した後のような鋭い眼差しだ。
一瞬にして、闇に引きずり込まれる。
ゆっくり目を閉じてお面をつけた。
「ヤマト隊長、的確なアドバイス、ありがとうございます。少しずつですが、自分の中で解決出来るよう努力していきたいと思います。」
声だけ、ヤマト隊長を慕う元部下の役を演じている。
中身は腐るような感情がドロドロに立ち込めていた。
「、カカシ先輩に話したらいい。きっと分かってくれるよ。気持ちを理解してくれるはずだ。頼った方がにとって、プラスになるはずだ。」
そう言って、肩を叩かれた。
叩かれた場所がとても重く重圧的に感じる。
カカシ先輩にこんな話をしたくはない。
ギュッと目を閉じていた。
(もう、お願いだからこれ以上私を…見ないでー!!!)