第11章 ピーマンおすそ分け
モワッとした外気を受けながら、火影邸に戻って玄関を開けると、少し涼しい風を身体に感じる。
「あ"づがった"ーー…溶けそー…シャワーー…浴びたいー…」
首のタオルも、べっとり汗で濡れている。顔をタオルで拭いて靴を脱いで廊下に足をペタペタと歩いた。顔や腕に日焼け止めクリームを塗っていたが、意味は無かったようだ。日焼けしてヒリヒリしている。
あー…、クーラーを付けたまんまで収穫に行って正解だった。付けずに出れば家の中も地獄だ。
気持ち良い風を感じながら、数歩歩くが、主人は玄関から家に入って来ない。
「カカシ先輩ー、シャワーお先にどうぞー?」
ドアからヒョイと顔を覗けば、玄関前をホウキとちりとりを持って掃除している。
「先に入っちゃって。オレ玄関掃除するから。」
ミーーーンミーンミーンミンミンミンミー……
やかましい雄蝉の求愛行動が聞こえている。野生の本能だろう…朝っぱらからお盛んなようだ。
カカシ先輩は汗を手やタオルで拭きながら、玄関の汚れが気になるようで、掃き掃除をしている。そしてホースで水をまいて、打ち水を始めた。
「分かりました。上がったら呼びますね。」
私の声を背中で聞いて、片方の腕を軽くあげた。
了承の合図をもらい、ドアを閉めて急いで部屋へ向かった。
着替えとバスタオル、暗部服、お面を持ち脱衣所に向かった。
汗でビチャビチャなTシャツや短パン、下着を身体から剥がすように脱いでいくが、まあ、汗臭い。
土汚れもあったので、軽く水洗いをして、バケツに入れ、
お風呂に入ってシャワーを流した。
(うわぁ…汗臭い…帰り大丈夫だったかな………カカシ先輩、不快に感じていないだろうか……)
不安を感じながらも過ぎた事は仕方ない!と諦め、頭や身体をしっかり石鹸を付けて洗い、心地よいシャワー浴びて、お風呂を上がった。
サッパリ良い気持ちになり、扇風機を脱衣所で回し、風を感じた。
(あー…寝れる…もう一回寝れる…)