第10章 ピーマン収穫
しばらくしてから、カカシ先輩の手が止まり、水道の蛇口を捻り、ピーマンを洗って私の方に近寄ってくる。
「っ!」
ボケーーッと見惚れていたので思わず息を呑んで
ビクっとしてしまった。
「食べてみなよ、コレ。」
渡されたのは、今収穫したばかりの肉厚のツヤツヤのピーマン
「えぇー⁈…絶対苦そう…食べるんですか?本気で?冗談じゃなくて?」
「ま、騙されたと思って食べてみなよ。」
首からかけたタオルで顔を拭きながら、得意げに笑みを浮かべて私を見ていた。
「えー…??……分かりましたよ、食べますよ?」
そう言って、潔くガブリと噛み付いた。
モグモグ口の中に生のピーマンを入れて食べている。
「…甘…い。…あれ、甘い!実が柔らかくて、美味しい!何で?え?あれ?」
また更にガブッとかじりつき、
モグモグしたが、やっぱり甘い。別の食べ物のように感じた。
「ピーマンはね、収穫したては新鮮で甘いんだよ、知らなかったでしょ?ま、採れたてってみんな甘いし美味いんだよね。」
「私、生でピーマンを食べた事が一度も無いので、驚きました。美味しいー!」
モグモグ…私はまたガブリと
食べていた。
「、今日はこの採れたてのピーマンを使って料理するから、絶対美味いぞ。」
「わーい、楽しみ!是非お手伝いさせて下さい!」
私はニコニコの笑顔をカカシ先輩に見せていた。
その姿を見て、カカシ先輩も嬉しそうに笑ってくれている。
「よし、これぐらい収穫したら十分かな、じゃあ帰ろっか。シャワー浴びて朝ごはんにしようぜ。」
「はい!そうしましょ!」
ウキウキしながら畑を2人で後にした。