第9章 夜
「青春を……ずっと、したかったんです。」
小さく呟くように話し始めれば、カカシ先輩は、黙って聞いてくれている。
「今日、シカマルが急いで時計を見ながらソワソワ楽しそうに出て行く様子を見て、デートをするのかなって勝手に考えていました。」
暗部に16歳から所属して、
デートをした事が一度もない。
好きな人と出かけた事がない。
好きな人と遊びに行った事がな
い。
「一度でいい…恋人みたいに、
カカシ先輩とデートしたり、
どこかへ出かけたりしてみたいんです。
本気の人とは段階を踏んでいきたいって思ってしまいました。ごめんなさい、真面目で…」
そう言ってカカシ先輩を見れば
大きく息を吐き出して私を見つめている。
「わかった。
デートしたいんだな、いつでも良いよ。」
そう優しい声をかけてくれて
頭を撫でてくれた。
「カカシ先輩、ありがとうございます。」
優しく穏やかに笑えば、甘いキスをしてくれた。
「キスはしていいんだろ?」
抱きしめながらキスをする合間に聞かれて、少し照れながら答えた。
「いつでもいいですよ、カカシ先輩。」
そう優しく言えば、カカシ先輩が嬉しそうに笑みを浮かべ、私に沢山のキスをしてくれた。