第5章 護衛1日目
「美味しいでしょ?ここのおにぎり屋さん、昔からあってね、好きなんだよね。」
「本当ですね!美味しくてビックリしました。注文してから目の前で握ってくれていましたもんね。色々拘ってるのが分かりますね。」
目をキラキラ輝かせてカカシ先輩を見つめれば、
「アハハハッ!」と、
いきなり笑われてしまった。
何で笑われてるのか分からず、
カカシ先輩を不審に見ていた。
「ゴメン!だって……凄く嬉しそうだから、見てたらつい、可愛いくて。」
「すみませんねー。おにぎりに、こんなに感動してしまいまして。」
私は投げやりな態度で言っていた。
「まあ、それだけ暗部に捧げてきたんだな。頑張ったな、。」
そう不意に励まされ、涙腺が緩み、急いで目の涙を拭った。
涙が出るとは思わず、
自分に驚いている。
暗部が嫌いだったわけではない。私の誇りだ。全てを捧げてきた。それでも何か大事なものを犠牲にしてきた。
それが人間として一番大事なものだということを理解している。
「カカシ先輩からそのような激励のお言葉を頂き、幸せです。ありがとうございます。」
カカシ先輩に感謝の言葉を笑顔で伝えた。
「お前がずっと努力している事を知っていたからな。」
「嬉しいですね。そう言っていただくと。」
私は自然に、ニッコリ笑い、
穏やかな気持ちで食事をしていた。