第5章 護衛1日目
活気ある街を歩いていれば、
カカシ先輩の声が、
背中越しから聞こえた。
「、そんなに真剣に護衛しなくていいんだよ?オレはそんなに簡単にやられないよ?」
「やるからには全力です。」
私の言葉に、大きく溜息をついた。カカシ先輩は先ほどから、
ずっと寂しそうに歩いている。
私があまりに塩対応だからだろう。先ほどの甘い時間は全く皆無なのだから。
「さっきみたいなのが良い。」
「無理です。」
「部屋に帰ったらチューして。から。」
「……………………は?」
「癒して欲しいの。わかった?」
私が一瞬、素を出したのが分かったのだろう。ニヤリと笑って私の頭を撫でている。
「ぎょ、業務外です…それは……。」
動揺してちゃんと言えない私をみて、カカシ先輩はさらに面白そうな顔をしていく。
(くっ悔しい…このお方は!!)
「は、まだまだ甘いね。脇が甘いよ。」
恥ずかしくて横を向いて歩いていれば、ずっと私を見て優しく笑っていた。