第4章 2人の時間
「6代目…シカマル様が、早く仕事に戻って欲しいとのご要望です。」
「あー、そうだったね、
仕事ぜーんぶ投げ出して来ちゃったからね。今用意していくよ。」
カカシ先輩がゆっくり立ち上がり、私も合図のように立ち上がった。
「コネ…ありがとうね。危うく最後までいきそうだったよ。」
恥ずかしげもなくカカシ先輩はコネに言い放った。
「…いえ、仕事ですから。」
一瞬だけ…
空気に緊張が走った。
しかし今の私にとって、
そんな事はどうでも良かった。
今、一気に落ち込んでいる。
コネの気配にギリギリまで気づかなかったのだから。
(いつもはこんなんじゃない!)
ここまで、のめり込んだキスをしたのは初めてだった。
不覚……恥ずかしくて情けなくて、下を向いていた。
カカシ先輩が、私に気づいて、目が合うまで見つめていたと思う。視線をずっと感じていたからだ。
ふと目が合えばニコっと笑っている。
「続き、また今夜しようね?」
「カ、カカシ先輩………」
ドクンとまた胸が高鳴り、
赤くなった。
カカシ先輩は、私の肩を撫でるように優しく叩き、部屋から出た。
今、触れた場所を熱く感じている。
平常心を取り戻すために
2回大きく深呼吸した。
それから、瞳を閉じ、
気合いが入る狐のお面をつけて、
"仕事"を開始した。