第4章 2人の時間
「もういいの?
もう少しちゃんと見てよ。」
何故か、またご不満なご様子だ。よく分からないお方だ。
「え⁈見ましたから…大丈夫です。」
「、今すぐ仮面取って。」
(今ここでいうーー…?)
「早く、今顔が見たい。」
仕方なく、諦めて、
ゆっくり仮面を外した。
「顔が真っ赤じゃない…どうしたの?」
いや、この人は今、
分かって言っている。
ワザとだ。声が意地悪だ。
「目を見てよ、。」
ずっと恥ずかしくて、目を逸らしていた瞳を
カカシ先輩にゆっくり向けた。
「あ、やっとオレ見てくれたね。」
ホッとしたような
優しい声が聞こえた。
顔を見つめれば、
カカシ先輩は、頬を赤く染めている。
「オレ、の顔好きなんだよね、可愛いよね。」
「ふ、…普通です。可愛いなんて言われた事、あまりありませんし…」
「じゃあ、そいつらは節穴だね。の良さが分からないなんて、バカだよね。」
全く意に介しないように言われ、ドキッと胸が高鳴ってしまった。ドキドキしていた。
カカシ先輩から、
目線を逸らせない…
ずっと瞳を見つめていた。
「、目、閉じて?」
キスの合図に
言われるがままに
瞼を閉じていた。
ゆっくり触れるように唇を合わし、優しいキスをしてくれている。
唇を確かめるように、何度も、何度も、繰り返し、吸い付くように……
背中に手を回し、
まるで愛し合う恋人同士のように抱き寄せられている。
心地よいキスを沢山してくれている。熱を帯びた吐息が溢れ、私は情熱的な瞳でカカシ先輩を愛しく見つめていた。
もっと、キスより進んで欲しい…
もどかしい気持ちが溢れていた。
完全にこの瞬間、
護衛暗部の任務を放棄していた。
「…そろそろ抵抗してよ。オレ本気にしちゃうから。」
ゆっくり唇を離され、
真っ直ぐな瞳で呟かれてしまい、私は一気に現実に引き戻された。
「…っ!」
次の瞬間、コネの気配と声がした。