第4章 2人の時間
「しかしながら…カカシ先輩が
取れと言われた時は必ず取ります。」
「じゃあ、今すぐ!」
「今は無理です。」
「ケチー…」
口を尖らせて文句を言う姿を
失礼ながら…かわいい、と思って見てしまっていた。
仮面の中で、
少し口が緩んでいる。
不意に不公平な感情が芽生えた。
「カカシ先輩も、じゃあ見せて下さいよ、口布の下を。
先ほどから私はキスが終わる一瞬しか見ていませんよ?」
「はい、どうぞ。」
何の躊躇なく、すぐに口布を下ろして簡単に見せられて、
私は瞬く間に、耳まで真っ赤になっていく。
(何という美形…端正な顔立ち…!
カカシ先輩の素顔をこんな風ににじっくり見たのは初めてかも……凄くカッコいい………)
「?耳赤いよ?熱でもあるの?」
「だ、大丈夫です…。もう、はい…ありがとうございます。」
顔から湯気が出そうなぐらい
真っ赤だ。火が出る。
いくらお面を付けていても、
やっぱり恥ずかしい。