第29章 お参り
最後に綱手様と残った私は、
山の方へ登り、人里離れた小さな神社に来た。こんな場所に神社なんてあったのかと思うほど、一見見えない場所にある。
誰が祀られているのだろうと思っていたら、綱手様の口が開いた。
「ここはな、過去に重大な罪を犯した者が眠る最期の場所になっている。火影と、犯罪者の一親等の人間しか知らされない場所じゃ。」
犯罪者……まさか!!
大きく目を見開き、綱手様を見つめれば、御理解されたように、神社の方向に目を向ける。
「お前の親友のベトレイがここにおる。
アイツは孤児だからな。誰も手を合わせて貰えないんじゃ。御主だけだ。手を合わせてやれ。」
そう言われ、一礼してベトレイを思い浮かべながら参拝した。
「また、来てやれ。」
「はい。綱手様教えて頂き、ありがとうございます。」
「さぁ帰るか、はカカシに叱れよ、公私混同するなと、あと、カカシに伝言じゃ。"お前の計画には乗らん、過信するな、護衛暗部はちゃんと三人付けろ"ってな。」
ニカっと笑って綱手様は去っていった。
もう一度、振り返って親友が眠る神社を見た。
"ベトレイ、また、来るね"
そう小さく呟き、その場を後にした。