第29章 お参り
「え⁈⁈綱手様から?何で?六代目からお前に、言う話だったぜ?」
「…誰から聞いても一緒でしょ?何でカカシ…様、から言わなきゃ意味が無いのよ。」
周りに暗部後輩が沢山いるから
少し離れて小声で話をしているが、
外では"カカシ様"だと言う事を久々な気分で、話している。
「うわーー、やべーー、コエーー!
六代目、へこむだろ、それはーー……
可哀想ーーー……。あのな!オレは六代目にこう言えって言われたから、言っただけだ。解任するにはそれなりに理由がいるだろ?」
「コネ、何隠してるの?教えて?」
「オレがそれを言ったら確実に殺されるから嫌だ。まだオレは生きたい。死にたくない。」
頑として口を割らないコネ。
はあーー……と、溜息ついてたら、
コネは気づいたのか、頭を撫でている。
「俺が言った事もう忘れたのかよ、、そんな顔すんなって。幸せになれって言っただろ?」
ヨシヨシ撫でられている。
気落ちしている自分は素直に触らせていた。
「だってさー…無職だよー?」
口を尖らせて喋っていると、
視線を感じて、ふと横を見ればコネはお面を外しているし、近い…なんか近い。
「じゃあ俺と一緒に住むか?来いよ。な?」
「……………………は?」
ポカーンと口をバカみたいに開けてしまう。
「冗談だってーの!バーカ、マジになるなよ。」
頭をポンポンしている。
カカシ先輩が護衛暗部初日に、コネと似てると言っていた。
ちょっと、今の仕草がカカシ先輩と似ていて、ビックリしてなぜか分からない、ドキっとした。
コネが何故か上機嫌だ。こんな冗談を言う奴ではないのに。
「ほら、始まるから行こうぜ。」
満面の笑みを戸惑う私に向けている。
冗談だよ、って思わず顔から伝わってくるような笑みを向けている。
「うん、そうだね、行こう。」
ニッと笑って、二人で集まる方へ向かった。
去年までこの日だけはどうしても顔が強張り緊張していたが、今年は自然な気持ちでここに来れている。カカシ先輩のおかげだ。