第28章 命日の朝
その次の日の朝、私は上層部に緊急招集をかけられた。
今日は命日で、暗部全員で墓参りを行く予定で、朝十時迄に行かなければ行けない。
しかし、こんなに朝早く呼ぶという事は、よほどの急用かと思い、連休中のカカシ先輩には、早めに墓参りに行くと火影邸を後にした。
上層部が使用する部屋に入れば、正に最初と同じ、四面楚歌である。
一気に震えてしまうのを抑えていた。
いつもと違うのは、綱手様もご出席しておられる、ということだけだった。
狐のお面を被るが、取れと言われた瞬間、全てを理解する。
覚悟し、狐のお面を剥がし、前を向く。
「ネツキ…お前は何をしていた?護衛はしていたのか!?あの、事件を忘れたか!!」
上層部の最初に怒鳴られた爺様に再度ブチ切れを食らってしまう。
「とんでもございません、忘れるなど、決してございま……「一昨日、祭りで、貴様、浴衣など着て任務していたらしいな、コネから報告が上がっておるぞ。」
言葉を遮られ、爺様に出された言葉に、目をまん丸に開ける。
殺してやる…!!あんのクソ野郎…!!と内にドス黒くメラメラした炎を灯す。
「まあ、これは決定事項だ。護衛暗部を今日付で解任を命じる。」
綱手様から、解任を通告され、一気に汗が滴り落ちていく。
「…しかし、綱手様!!私は…!」
「ネーツーキー、往生際が悪いぞ。受け入れろ。これは全会一致で可決されたんだ。」
「全会一致…?」
「ああ、貴様には席を外してもらった祭りの翌日だ。まあ、昨日だな。火影であるカカシ、暗部トップのコネ、そしてここにおる全員が解任に賛成したんだ。特に、カカシは三日か四日ぐらいで解任を希望していたそうだぞ?知らなかったのか?」
「…存じて…おりません…」
休みだった昨日、少し出かけると一時間ぐらい出た時を思い出していた。
あの時…、酷すぎる…。
あんなに愛し合った人の裏切りに奈落の底に突き落とされる感覚を味わう。
ドクン…ドクン…
心拍が上がり一気に緊張が頬を伝う。
しかも、そんなに早く解任を望まれていた事実に、今迄のカカシ先輩を思い出すが、何も変わった日は一度もなかった。