第2章 【続】ボクノキモチ
英二を急かすと
「わかったよー。じゃあ、口開けて?」
「あーん」
箸で料理を摘まみ、ボクの口に入れる
本当は口移しが良いけど
「…どうかにゃ?結構自信作なんだけど!」
美味しいけどちょっと意地悪しちゃえ
「…うーん、美味しいけど…何かもう一工夫欲しいかな。」
「…そっかぁ…うー、何が足りないのかにゃー」
ボクのアドバイスを真に受けた英二は、
首を傾げながら悩み始める。
「英二にしか出来ない事をしてくれたら…美味しく感じるかも、ね?」
後ろから抱き付き、耳元で囁いてあげると
「まさか…」
耳まで真っ赤の英二が振り向いた。
ちゅっと触れるだけのキスをすると
更に顔を真っ赤にした英二が口をパクパクとさせて驚いていた
ああ、本当に愛しいな
今すぐ食べちゃおうか?
「だからー!オチビとタカさんが居るっていっ…!」
大きな声を出す英二の口を手で押さえつける
「んー!」
「噂をすれば、タカさん達戻ってきたみたいだよ?」
川岸からタカさんと越前が歩いてくるのが見えたので
少し離れてあげた。
「英二、川魚を釣ってきたよ。あ、不二も手伝いに来てくれたんだね!助かるよ」
「…不二先輩、何で居るンすか?」
「やぁ、二人ともおかえり。ちょっと英二借りても良いかな?」
「うん。後は魚捌いて、盛り付けるだけだから俺と越前だけで事足りるし」
「ちょっ!不二、勝手に決めんなよー!」
リーダーは俺だかんな!って駄々をこねる英二のほっぺたを指で突っつく。
すると大人しくなって
ぶーっと膨れっ面をし始めた。
「じゃあ、遠慮なく」
「あ…ちょっと、質問に答えてくんない?」
「何も答えることは無いよ?少し英二と二人きりになりたいんだ」
「…ウィッス」
炊事場から離れてロッジに向かう二人の背中を
越前は不満そうな顔をしたまま見ていた。