第13章 でもね。
笠松「俺がお前の性格を変えてやる」
「え・・・・。」
笠松「その代り、お前は俺の女嫌いをなおす役だけどな!」
「・・・笠松さん・・・。」
笠松「今はまだ、俺もお前に触れることも無理だよ。こうやって話すのも精いっぱいだ。でも少しずつ進歩はしてる。」
確かに、進歩してる。
今回は特に大幅に進歩した。
きっとこんなに女と話すなんてこと、生まれて初めてだと思う。この人の事なら。
笠松「いいだろ。少しずつでも。・・・それで。」
「・・・はい!」
私は泣くのを我慢した。
普通ならここで泣いてる。うれしくて。
初めて分かり合えた気がした。
初めて心を許せることができた気がした。
だから、今は少しずつ。
ほんの少しずつでいいから、
いつか勇気を出せたときに
思い切り泣こう。