第13章 でもね。
笠松「そうだったのか・・・。」
お互い信頼したから話せたわけじゃない。
笠松さんだから話せたのかも。
ほんの少しの勇気で変えれた私の過去。
私はそれができなかった。
臆病で弱虫な私だから。
笠松「じゃぁお前・・・バスケが嫌いか?」
「・・・そ、そんな訳ないです」
笠松「ならちょっとずつでいいだろ。」
「・・・・え?」
笠松「確かに、辛いかもしんねぇ。お前がドリンクを作ってる瞬間、タオルを渡す瞬間、ひとつひとつ辛いかもしんねぇ。」
笠松さん・・・。
笠松「でもな。過去にとらわれてても、どうしようもねぇだろ。今だよ今。その性格、変えていけんのも今だよ。過去もまとめて全部、ちょっとずつ変わっていけば・・・。」
「無理ですよ」
笠松「・・・」
「今まで何回も変えようとしましたよ。でも無理でした。だから今も・・・。」
笠松「俺が協力する。」