第89章 自然に。
少し歩き、私達は近くのカフェに入った。
桃ちゃんは店員さんにホットコーヒーを頼んだ。
桃井「雅ちゃんはホットレモンティー?」
と聞かれたけど、桃ちゃんをみて私もコーヒーを頼んだ。なんとなく大人の女性って感じがして真似をしたくなった。・・・コーヒー自体は苦手なんだけどね。
まもなく店員がコーヒーを持ってきてた。
桃ちゃんがコーヒーを一口飲むと、話し出した。
桃井「で、どうしたの?」
「実は・・・」
私が話してる最中、桃ちゃんは自分のミルクと砂糖と私のコーヒーにさりげなく入れてくれた。苦いのが苦手なこともすべてお見通しのようだ。
桃井「・・・ってことは・・・。雅ちゃん、ブラックラブ全員に告白されたってこと!?」
「そうなる、かな・・・汗」
私は苦笑いしかできなかった。
桃井「す、すごい。モテ期だね。いいなぁ」
この子も十分モテてる気がするけど、言ったら長くなりそうだから言わないとこ。←
「でもいきなり決めろって言われて、困ってさ」
桃井「雅が決断遅いんだよー」
「な・・・も、桃ちゃんだって、あれから青峰君とはどうなったの!?自分のこと言えないんじゃ・・・」
言い終える前に桃ちゃんは言った。
桃井「うん。青峰君とは今同居してるよ」
「・・・は!?そ、それって・・・付き合うことになったの!?」
桃井「んー・・・私はテツくんのこと大好きだけど、青峰君をほっとけない自分にいるの、気づいてさ」
桃ちゃんはコーヒーを飲んでいった。
桃井「一番じゃないけどいい?って聞いたら、一番にさせてやる、って。大ちゃん。そこまで言われたら、いいかなって思って付き合うことにしたの」
桃ちゃんは微笑んだ。顔を赤くしながら「大ちゃん」という所から、確かな愛情がみえた。
そのときの桃ちゃんが、可愛くもみえたし、凛々しくもみえたし、なにより幸せそうだった。
「なんか、良かったね。桃ちゃん幸せそう」
桃井「うん。一番がどうかは分かんないけど、幸せだよ。私。」
「私もはやく決めなきゃなぁ」
すると桃ちゃんはポツリと言った
桃井「決めなきゃなぁって、本当はもう決まってるんじゃないの?」
「え?」