第89章 自然に。
私はとぼとぼ帰り道を歩いていた。
これから・・・どうしよう。
とりあえず、考えなきゃ。皆、一人一人のことを。
ぼぅっとしながら歩いてたら、
曲がり角で人とぶつかってしまった。
??「きゃっ」
「あ、ごめんなさい!怪我はー・・・って、桃ちゃん?」
なんとぶつかった相手は桃井さつき。
これは、偶然なのかな・・・?桃ちゃんのことだし、女の勘とかで計算してわざとぶつかってきた・・・とか、さすがにないか。←
桃井「雅ちゃんだぁ!大晦日いらいだね」
桃ちゃんはショッピングの帰りなのか、紙袋を持っていた。
腰までの白いコートに黒いロングブーツがよく似合っている。やっぱり桃ちゃんは可愛い。
いや、今の桃ちゃんには可愛いより綺麗の方が似合ってるかなぁ。
じろじろ見てる私を不思議に思ったのか、桃ちゃんはきょとんとしていた。それに気がつき、私ははっと顔をあげた。
「そ、そうだね。大晦日ぶり。あはは・・・」
桃井「・・・雅ちゃん、なんかあったでしょ」
ぎくり。
「な、なに突然」
桃井「顔に焦ってます。って書いてあるよ」
桃ちゃんは私の鼻の先をツンと押した。
もうこの子はやることが可愛い。←
桃井「私でよかったら話聞くよ?ブラックラブのことかなぁ?」
ぎくりぎくり。
「さ、さすが桃ちゃん。するどいね」
桃井「女の勘だよ笑」
おそるべし。