第88章 選んでよ。
インターホンを押すと、今吉先輩がドアを開けてくれた。
心臓が飛び跳ねた。
あー・・・そうだ。この前・・・
すると今吉先輩は悪い笑みを浮かべ、小さな声で言った。
今吉「前キスしたんだったー・・・とか考えてんねやろ。」
その言葉に全身が熱くなったように感じた。
あの時は突然すぎて、ぽかんと唖然してたけど、改めて考えたらすっごく恥ずかしい!!私のファーストキス!!返せ!!←
「い、いきなりで避けることもできなかったんですよ」
赤くなっている私の顔をみて、先輩はクスクス笑ってる。
楽しいか、楽しいか!?←
今吉「皆きてるで。寒いし入り」
リビングのドアを開けると、いつものように皆がくつろいでいた。もちろん、玲央さんもいた。
玲央「雅!会いたかったわ。ずっとメールだったから寂しかった。」
私がリビングに入るなり、玲央さんは私の手をぎゅっと掴んだ。冷たくてかじかんでいた手が、玲央さんの手で一気に温かくなった。
「今日は私が最後でしたか。」
今吉「皆、小倉が来る前から集まってたし、そら、そうやろ」
「え」
皆集まってた・・・?今日なんかあったっけ?
氷室「雅に大切なことを、俺たちから伝えたいんだ」
「なんですか?」
高尾「んー俺なりに話し合ったんだけど、もうこれしかない!ってことになってさ、文句は言うなよ?」
文句の言い所があるかもしれないが、高尾君の笑顔に流され、とっさに「うん」と答えてしまった。
「で、なんなんですか?」
もう一度聞くと、低いトーンの声で花宮さんが言った。
花宮「選べ」