第87章 変えた。
「ど、どういうことですか・・・?」
玲央「私をブラックラブに戻るなら、これが一番の方法だと思うけど、どうかしら?」
「どうかしらって・・・。」
顔を赤くし、俯いてしまった私を見てふふと笑いを溢した。
するとゆっくりと私に近づいて、目線を合わせながらこう言った。
玲央「好きになっちゃったのよ。雅のこと。」
夕日で輝いて見える瞳。
風でなびく黒髪。
そして、悲しく笑う顔。
玲央「だから、付き合ってくれる?」
「む、無理ですよ!だって・・・急にそんな」
玲央「なら戻らない」
「えぇっ・・・。」
言葉を失った。言いたいことがたくさんあったはずなのに、すべて頭の中から飛んでいってしまった。
というか、無茶すぎるよ、玲央さん・・・。
「どうしても・・・ですか?」
玲央「・・・私ってね、案外強情なの。知ってた?」
眉をたらし、困ったようにふふふと笑う玲央さん。
玲央「手に入らないのに、好きになるだなんて辛いだけでしょう?」
なんか・・・今の玲央さん・・・。
玲央「だから雅の傍にいたくなかったの。手っ取り早く離れられるのってこれしかないかと思って。まぁあなたが私と付き合うって言ってくれるなら別だけど・・・」
・・・
「キライ。」
玲央「・・・え?」
俯いていた顔をぐっとあげ、玲央さんを見つめると、
彼は二、三歩、後ずさりをした。
「今の玲央さん、嫌いです。大嫌い。」
玲央「っー・・・なら、これでいいでしょう!?つっかかって来ないでちょうだい!」
そう言って、玲央さんは背を向け歩き出した。
違う。違う違う!!
こんなことを言いたいんじゃない!こんなことをしたいんじゃない!
前までの私ならここで諦めていた。
でも、今はー・・・!!
進む彼の腕を、私は強くひいた。