第87章 変えた。
??「あぁ、もしもし?・・・うん、今どこにいるの?」
優しい顔に優しい話し方の人だな。
そう思いながら男性の顔をみてると、何故だか見覚えがあるような顔をしていた。
??「あ、そっか。・・・いや、聞いてみただけだよ。ストーカーじゃないから。」
なんとなく会話が想定でき、クスと私は笑いを溢した。
??「はいはい。帰りは気をつけろよ。じゃぁな」
男性は電話を切ると微笑みながら言った。
??「駅前のスイーツ店でケーキ食ってるらしいよ。あいつ甘いの結構好きだしな」
「あ・・・!」
駅前のって・・・初めてデートしたときのあそこだよね!?そっか、玲央さんにとって甘いものは癒しだった。って、考えてる場合じゃない!
「あ、ありがとうございました!」
??「いいえ。入れ違いとかにならなければいいですね。では」
「では、またー・・・。」
男性を通り過ぎる途中、はっとなった。
「・・・小掘-・・・さん?」
小掘「え・・・なんで俺の名前・・・?」
あ、しまった。
咄嗟に思い出して口にしてみたはいいものも、彼とは初対面だ。私にとっては名前しか知らない存在だ。-・・・後ポジションと出身校←
そうだ、彼は海常の小掘浩志だ。ビデオでしか見たこと無いけど、顔がまったく一緒。ということは、笠松先輩と同期か・・・。
小掘「ごめん、俺達どっかで会ったことあったっけ?失礼かもしれないけどー・・・。」
「あ、いえ、その・・・。」
小掘さんはきょとんとしていた。そりゃそうだよな、会ったこともない人から突然名前呼ばれることなんてないもんね。
「私、元桐皇高校バスケ部マネージャーの小倉雅
といいます。」
小掘「あ、そうだったのか。あの桐皇のね・・・ん?小倉雅?聞いたことあるな・・・。実渕からも笠松からも・・・ってことは、君、ブラックラブの子?」
「え、あ、はい。」
玲央さんも笠松さんもブラックラブのこと話してるんだな・・・。
小堀「そっかそっか。まぁ、実渕早く見つけてやってくれ。あいつ、声が元気なかったし、それにー・・・」
「?」
小掘「君が行ったら喜びそうだしね」
にやっと笑い、「じゃぁね。また会えたときよろしく」と言って小掘さんは部屋の中にはいってった。
意味深な言葉を後に、私は玲央さんの所に駆けた。