第81章 見れないっての。
「なっ・・・!?」
驚くと同時に私の顔に熱がこみあげてくる。
い、今なんておっしゃいました!?←
抱くって・・・あの抱く、だよね?
抱きしめるとかじゃなくて・・・あっちの方だよね!?←
「ったたたた高尾君!?にゃ、何言ってるのかにゃ!?」←
高尾「プッ 慌てすぎ」
高尾君の右手がゆっくりと私の頬に触れてきた。
びくっと体が震える。これが過剰反応ってやつ?
高尾君の顔を見ると、私の知ってる高尾君はいなかった。
鋭く、氷のような目ー・・・。
高尾「だーいじょうぶだって。優しくすっから」
「し、したことあるの!?」
高尾「いや?俺も初めてだけど、それなりの知識はあるっていうかなんていうかー・・・ま、大丈夫大丈夫」
「そ、それ全然大丈夫じゃないよっ!と、とにかく・・・」
高尾「やめねぇよ?」
「っ・・・」
こ、怖い。
高尾君が・・・怖い。
何にも考えれない。ただ怖い。嫌だ。誰か・・・
助けて・・・!!
高尾「それに俺・・・」
高尾君の顔は私に近づいてきて、
耳元でそっと囁いた。
高尾「初めては雅がいいし」
っー・・・!
怖い。だけど・・・照れてる?恥ずかしがってる?
そんな自分がいる。
自分の気持ちがわかんないー・・・!
「そ、そんなこと言わないでよ!それにっ、私・・・その、まだ安静にしてなきゃだし、ね、ね!?」
高尾「ハハッ 点滴とってまで歩ける元気ある奴が言うなよ」
笑いながら言われて何も言い返せなかった。
悔しいけど、言ってることは高尾君が正しい。
高尾「じゃ、まずはキスから」
「えっ!?」
高尾「いきなり舌とかいれねぇからそんなビビんなって笑」
「そ、そういうことじゃっー・・・」
高尾「雅-・・・」
「っ!」
目を閉じて、高尾君が私に近づいてくる。
ぎゅっと目を閉じても恐怖は増すだけ。
怖い怖い怖いよー・・・!
嫌だ、こんなの高尾君じゃない!
誰か、誰か・・・!