第63章 月の王子と星の姫。
クリストフ「あの人の中、すぐにお前を見つけた。」
外のベンチで座りながら、クリストフはナターシャに言った。
ナターシャ「あなたがくれたドレスだもの。気が付かない訳ないわ。」
クリストフ「いや違う。真っ先に目に入ったということだ。」
ナターシャ「私よりも綺麗な星はたくさんいたはずよ?」
グラスに入ったジュースを飲みながら言う。
するとクリストフは薄く頬を染めた。
クリストフ「綺麗な星とは、これまた奇妙な例えだな。星とは来ている女たちの事か。」
ナターシャ「そう。そしてあなたは輝く月よ。舞踏会はね、夜空なの。」
クリストフ「初めて来たという割には表現がなかなかだな」
ナターシャ「私ったら詩人にも向いているのかしら」
フフフと笑うナターシャの頬に手をあてるクリストフ。
そして優しく髪を撫でた。
クリストフ「では私は、そのたくさんの星の中から、お前を選んだ。」
ナターシャ「そういうのはもっと極端に言ってもらわないと」
クリストフ「これはこれは注文の多い奴だな」
ナターシャ「いいじゃない」
息を吸い込んでからクリストフはナターシャに告げる。
クリストフ「お前が好きだ。ナターシャ。愛している。」
そして二人は夜空のように
永久の愛を誓ったのだったー・・・。
end.