第57章 もうどうしていいか分からなくなる。
「違うんです、違うんですよ伊月さん!」
それでも涙は止まらない。
一生懸命拭いても、そこからまた新しい涙がでてくる。
おさまれ、おさまれー・・・!
伊月「小倉は自分が思ってるほど、いっぱいいっぱいなんだよ」
「・・・え・・・?」
伊月「ブラックラブは楽しいと感じてるかもしれないけど、どことなく高尾や氷室さんを見る目が遠慮しがち」
「そ、そうですか・・・?」
伊月「自分このとは自分がよく知ってるとか言うけど、案外自分の事一番把握できてないのって自分だと思うんだ」
「・・・・・。」
伊月「あの二人から告白されてから結構経つけど。それでも小倉の中には確実に入ってたんだってこと。それ+俺になって、もうどうしていいか本気で分からなくなったんだよ」
「そう、なのでしょうか・・・?」
伊月「・・・ごめんな」
悲しそうな表情。伊月さんの方が今にも泣きそうだ
「謝らないで下さい!確かに、伊月さんの言った通りかもしれませんが・・・でも私・・・!」
頭が真っ白のまんま、声だけでる私を
伊月さんは強く抱きしめた。