第57章 もうどうしていいか分からなくなる。
伊月「・・・・・でも無理。もう抑えらんないってことだよな」
「・・・・?」
伊月「聞き流してもいいから、よく聞いてて」
急に真剣な表情となった。
その表情に私も驚き、ちょっと顔を下げてしまう。
伊月「・・・ここで言ったら、小倉を泣かせるかもしれない」
「え・・・」
伊月「それでも言いたいんだ。いや、言わないともうだめなんだ。自分勝手でごめん・・・!」
冷たい風が頬を刺す。
雨アトの朝のせいか、肌寒い。
今は他の意味でもちょっと肌にささるが。
伊月「・・・好きだよ」
「・・・何を、ですか?」
もう分かってる。分かってるけど・・・
伊月「・・・小倉のことが。恋愛感情で」
どこかで認めたくない自分がいた。