第10章 同い年
「彼は、幼馴染だったんです…」
「そうだったの…。え、って言うことは、あなたもしかして同い年?!」
とペトラさんが言う。
「はい。私は訓練兵になったのが2年遅かったんですけど、今17歳です」
「えっ、なんだ、そうなのかよ?!じゃあ俺たちとも同い年じゃねーか!」
心なしかオルオさんの表情は嬉しそうだった。
だけど、今もぼんやりとしている頭の中で、「俺たちとも同い年じゃねーか」という言葉が反響する。
ん?俺たち?…って事はオルオさんって…。
「あはははっ!!ラウラ最高っ!やっぱそう見えるよね?!オルオって老け顔だよねっ?!」
弾けるようにして笑い始めたペトラさんに、オルオさんが顔を真っ赤にして不満をあらわにする。
「おいペトラッ!!人が気にしていることを笑うんじゃねーよっ!そんなんだから、おめーはモテねーんだよっ!」
「なっ、なんですって?!オルオよりかはモテるわよっ!」
カーン、と試合のゴングが鳴ったかのようにして、突然夫婦漫才を始めた二人に、私は目を白黒させた。
何だかものすごく微笑ましい光景だ。もっと二人のやり取りを見ていたいけれど……
「こら、ここは病室だよ。静かにしないとダメだろ?」
ペトラさんとオルオさんの後ろから、少し顔をしかめたナナバさんが声をかけてきたのだった。その隣にはゲルガーさんの姿もある。
「も、申し訳ありませんっ」
二人はほぼ同時に立ち上がって敬礼をした。
「なんだお前ら、ラウラの知り合いか?」
と、ゲルガーさんが尋ねたのを皮切りにして、私たちは昨日からの経緯を説明し始めた。