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【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第10章  同い年


 男性兵士に促されるまま、私はまたベッドに横になる。
 二人はベッドサイドにあった椅子に並んで腰掛けると、私の顔をまじまじと見つめてきた。

「ねぇ、あなたって、入団式で”巨人の絵を描きたい”って言った子だよね?」

 じっと見つめられて、私はまたもや恐縮した。あの発言の影響がここまで出るとは、思ってもみなかった…。

「はい…あの、変なことを言ってお騒がせして申し訳ありません」

 シュンと眉を下げた私に、今度は男性兵士が言う。

「別に変だなんて思ってないぜ?俺たち興味があるんだ。良かったら今度、絵を見せてくれよ!」

 そう言って笑った男性兵士の声は、顔に似合わず結構若い声のように感じた。

 私は、「絵を見たい」と言ってもらえたことに少し微笑んで、頷いた。
 調査兵団に入ってから、こう言ってもらえることが多いように感じる。本当に嬉しい。

「あの、ところでお二人は何故ここに…?」

 首をかしげて問うと、女性兵士の方が笑った。

「あなたの事が心配で様子を見に来たの。だって、昨日は本当に酷い状態だったから」

「そうだぞ。…辛いことがあったんなら、俺たちに話してみろや。同じ調査兵団の仲間だろ」

 照れくさそうに言った男性兵士は、くせ毛ぎみの頭をガシガシと掻いたのだった。


 女性兵士の名前は、ペトラ・ラル。
 男性兵士の名前は、オルオ・ボザド。
 二人は調査兵団に入団して2年の、若手兵士だった。

「入団して2年ってことは…」

 私はふと、あることが気になって尋ねてみた。

「あの…、ライデン・ツィンメルマンを知っていますか?」

「うん、知ってるよ。同期だもの。…でも彼は今回の調査で……」

 ペトラさんは、表情を曇らせて下を向いた。

「…はい。知っています」

 そう答えた私に、オルオさんが少し目を見開いた。

「お前…もしかしてそれで泣いていたのか?」

 と尋ねられ、私は小さく頷いた。

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