第37章 反撃開始
「……今更、拷問なんかで驚くような神経はしていないんですけどね」
「ははっ、ちげえねぇ。お嬢ちゃんの描く絵には、それ以上の迫力があるからな。正直ゾッとするよ。だがな、それはそれ、これはこれだ。きっと、お嬢ちゃんに見せたくねぇと思っているのは分隊長さんだけじゃねぇと思うよ」
「?」
「ははは」
首を傾げている私に、なぜか愉快そうに笑ってリーブス会長は玄関扉のノブに手をかけた。
それから思いついたようにジャケットのポケットに手を入れて、小さな箱を取り出す。
「後で食うといい。中々手に入らない貴重な菓子だ。俺の娘は、そいつが大好物なんだ」
そう言ってリーブス会長は帰っていったのだった。
なにゆえあんなに優しくしてくれるのか分からなかったが、彼の優しい一面に、私の心もほんわかと少し温かくなったのだった。
それから私は、後片付けをするためにひとまず会議室へと戻ることにした。
部屋の扉を開くと、すでに中に人影は無くて、片付けも済まされていた。
アルミンかニファさんあたりがやってくれたのかもしれない。