第37章 反撃開始
「お嬢ちゃんは、あの有名な画家兵士さんなんだってな。新聞の挿絵に使われているのを俺も見たよ。大したもんだ」
ニッと、ますます優しい笑顔を浮かべてリーブス会長が言う。
このアジトに着いて以来、こんな表情を見せたのは初めてで、なんでこんなに優しい笑顔を向けてくれるのか不思議なくらいだ。
「ありがとうございます」
意外だったけど、褒められればやっぱり嬉しい。
私がちょっとはにかみながらお礼を言うと、リーブス会長は、うん、と頷いた。
「分隊長さんがお嬢ちゃんを指名しなかったのはきっと、お嬢ちゃんみたいな子には見せたくないと思ったのもあるんじゃねぇかと思うぞ」
それは拷問のことを言っているのだろうか?そうだとしたら、何を今更、といったレベルの話だ。
拷問どころか、今まで壁外調査で人が巨人に食われるところを散々見てきているではないか。
拷問など遥かに上回る残酷な場面を。