第37章 反撃開始
「おい、大丈夫か。お前は本当によく転ぶな…」
頭上から降ってきたのはリヴァイ兵長の声で、私は慌てて顔を上げた。バチッと至近距離で目が合って、その瞬間、兵長の三白眼気味の瞳がさらに小さくなったような気がした。まさに目が点になる、といった感じだった。
「兵長?」
「……お前、ラウラか?」
「はい」
何か信じられないようなものを見るような目を向けられて、私は内心ドギマギしながら頷いた。
「……そうか」
抱き上げられていたのをトンッと下ろされる。そのまま兵長は黙ったままそっぽを向いてしまったので、ますます訳が分からなくて私は焦った。何か気分を害するような事をしてしまったのだろうか。
「兵長?あの…ありがとうございました。もしかして今、どこかぶつかりましたか?」
「いや…、どこもぶつかってねぇ。大丈夫だ」
そう言いながらも兵長は私と目を合わせてくれない。
「?」
怒っている訳ではなさそうだけど、どうして兵長がこちらを見て話してくれないのか、その理由が思いつかない。オロオロとして、そっぽを向いた兵長の顔を覗き込むとヒョイとまた顔を背けられてしまう。