第36章 束の間の日常
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実験が終了し、撤退行動に移った班員達は、周辺に目撃者がいないかの確認作業のために馬で駆け回っていた。
そんな中、エレンとヒストリアを乗せた荷馬車に、ラウラのことを抱き抱えたリヴァイが歩いていく姿が目に入った。
それはいわゆる『お姫様抱っこ』というやつで、あのリヴァイがそんな行動を取っているという物珍しさから、班員達の目は一瞬釘付けになる。リヴァイはいつも通りの無表情…を装っているのがありありと見て取れるような、必死で表情を引き締めている顔をしていた。
(あ、昨晩何かあったんだな…。良かったですね、兵長)
さらに距離の縮まったらしい二人の様子に、撤退行動は迅速にこなしながらも、班員達は微笑ましさで胸をほっこりと温かくしたのだった。