第36章 束の間の日常
「皆知ってることだと思うけど…」
そんな二人の驚き様に、若干呆れ顔をしてアルミンが言う。アルミンの様子に、いまだ信じられないといった表情をしているエレンとサシャは、ジャンとヒストリアの方を見た。
「おい!お前らは知ってたのか!?ラウラさんと兵長のこと」
「え…むしろお前ら今まで気付いていなかったのかよ?」
「何となく…気づいてはいたよ。だって兵長、ラウラさんを見る時の目がとても優しいもの」
「「なんってことだ…」」
ほぼ同時に、エレンとサシャはつぶやいたのだった。
その後、見張りから戻ってきたミカサとコニーにも同様の質問をぶつけてみた二人だったが、ミカサからはアルミンやジャン同様に少し呆れられたのだった。
「気づかない方が変。誰だって気づく。特に兵士長の方は、あそこまであからさまでは、隠すつもりもないように見える」
「まじかよ…ミカサまで気付いてたなんて…」
呆然とするエレン達だったが、コニーの返答で少しだけ安堵したのだった。
「え!?マジかよ、全然気付かなかったぜ!!兵長にも、そういう感情があるんだな…」
「「コニー(期待を裏切らない奴)」」
ポン、とコニーの形の良いいがぐり頭に手を乗せて、二人はホッと胸をなでおろしたのだった。