第36章 束の間の日常
「ねぇ、何の話!?リヴァイ、君随分とご機嫌じゃないか」
「うるせぇクソメガネ、黙ってろ」
「ハンジさん…もうその位にしてあげてください…」
飲んでいるのは水のはずなのに、まるでお酒でも飲んでいるかのような陽気さで兵長に話しかける分隊長の事を、困り顔のモブリット副長がたしなめる。
だけど分隊長のなんでなんで攻撃が収まりそうもなかったので、私は苦笑しながら申し上げたのだった。
「あの、兵長のお部屋に後でお茶をお持ちします、と話していたんです」
あえて、「食事を」とは言わなかった。兵長が人前で食事を召し上がらないことなど皆すでに知っているだろうし、仮に知らなかったとしても取り立てて言う必要もないからだ。
「そうかそうかー!いや、ご苦労だねラウラ。リヴァイの事をよろしく頼むよ!」
心底楽しそうに笑う分隊長のことを、兵長はうんざりした表情で睨んでいたのだった。