第28章 旧調査兵団本部
分隊長が歩いてきたので、私は席を立って分隊長に敬礼した。すると分隊長は私の顔を見るなり顔を輝かせて、ガバッと抱きついてきた。
「ラウラ!一日ぶりだね!君が班にいないとすごく寂しいよ。こっちでの生活は大丈夫そうかい?リヴァイにこき使われたりしてない?…まぁ、正直全く心配ないと思うけどね」
そう言って分隊長はニヤニヤと笑って兵長を見た。兵長は眉間にシワを寄せて「あ?」とハンジ分隊長を睨み返す。
なんで分隊長はニヤニヤしてるんだろう?
…まぁ、いいか。きっと分隊長と兵長の間では意味が通じているのだろうから。
「お茶のご用意を」
私は分隊長に席を譲って、紅茶の準備を始めた。分隊長は正面に座っているエレンにさっそく実験への協力を求め始めたのだった。とても楽しそうに話している。
紅茶をカップに注いで差し出したところで、「ならよかった決定!エレン!明日はよろしく」とあっという間に交渉が成立したようだった。相変わらずの手際の良さだ。
ソニーとビーンの様子や実験の進捗などを聞きたかったので私も席に着こうとした時、おもむろにエレンがある禁句を言った。
「しかし巨人の実験とはどういうものですか?」