第27章 巨人になれる少年
団長達が面会した時のエレンの様子については、私も話を聞いていた。
何でも彼は、調査兵団への入団を希望しており、「とにかく巨人をぶっ殺したい」と言い放ったらしい…。
私はまだ、彼がどんな少年なのかは知らない。
早く彼に会ってみたいと思う一方で、会うのが怖いとも思う。話を聞く限りでは、かなり凶暴そうな印象だからだ。
チャリ、とエルヴィン団長が胸ポケットから懐中時計を取り出して時間を確認した。
「さて、そろそろ審議の時間だ。ハンジ、ミケ、そしてラウラ。地下までエレンを迎えに行ってくれ。ラウラ、君には今後のエレンの様子を全て絵に描いて欲しい。それはきっと今後の重要な資料になる」
「はい!」
私は大きな声で返事をすると、団長に向かって敬礼をした。