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【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第27章  巨人になれる少年



 その後、総統はスケッチブックの方もじっくりと見てくださり、当時の状況についてあれこれと質問をされた。

 基本的にはエルヴィン団長やハンジ分隊長が答えてくれるのだが、時折直接問われて私が答えることもあった。


 最後のページを見終わると、総統は顔を上げて私を見つめた。

「トロスト区奪還作戦では多くの兵士が犠牲になった。だが、人類の得た勝利は大きい。楽観的すぎるだろうが、今回のように勝利に歓喜する兵士の絵をまた見られることを願っている」


「…はい」


 総統が浮かべた笑顔に応えるようにして、私もコクリと頷いたのだった。







「あぁ~早くエレンに会いたいなあぁ~!どんな子なんだろう?絶対に彼は調査兵団に欲しいよね!」


 私達にあてがわれた控え室の扉を開けるなり、ハンジ分隊長が一気に喋り始めた。

 ザックレー総統と話している内に興奮してきていたのには気付いていたから驚きはしなかったけど、すでに部屋に到着していたリヴァイ兵長とミケ分隊長は「何事だ」という顔をした。

 続いて入室したエルヴィン団長が、ハンジ分隊長の言葉を引き継ぐようにして言う。

「あぁ、私も全く同意見だ。何としても彼の身柄は調査兵団が獲得しなければならない。彼の謎を解き明かすことは、きっと人類前進の大きな手がかりになるだろう」

 エルヴィン団長の言葉に皆が頷く中、リヴァイ兵長だけは眉間にシワを寄せていた。


「…あいつは化け物だ。手元に置いて管理するなんてのは、クソみてぇに大変な事だろうよ」

「だろうな。だが、お前に任せて大丈夫なんだろう?リヴァイ」

 そう言ってエルヴィン団長が苦笑すると、兵長は「当然だ」と言わんばかりに鼻を鳴らした。

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