第27章 巨人になれる少年
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明日は、エレンとかいうガキに会うため朝早く出発することになっているが、相変わらず俺はラウラのアトリエにやって来ていた。
ここ数日、コイツはまともに休息を取っていないし、寝ても覚めても絵を描き続けているから、ある程度のところで休むように注意してやらなければならない。
…というのは半分建前で、単純にラウラに会いたいから来ているというのもある。自室で休んでいるよりもラウラと一緒に過ごす方が気が休まるのだ。
ランプの灯りがゆらゆらと揺れる中、ラウラは取り憑かれたように熱中して絵を描いている。
そんな姿を見ると、身体を壊さないか心配になるのと同時に、ここまでストイックに取り組める姿勢に尊敬の念を感じるのだった。
今日の昼に、同期の奴らが遊びに来てくれたおかげで、珍しくラウラは年相応のガキらしく笑っていた。
少しは息抜きになっただろうし、俺もそんな姿を見て安心した。
だがそんな時間もすぐに終わってしまい、ラウラはまた夢中になって絵を描いている。
きっと、絵を描くのが楽しくて仕方ないのだろう。こいつの表情を見ていれば、それは簡単に分かる。