第27章 巨人になれる少年
あと数日の内には事態が動き出すだろう。
なぜなら今日…例の少年、「エレン」が目を覚ましたという報告があったからだ。
「エレン」は、第104期訓練兵団出身で、エレン・イェーガーという名前らしい。
同期達の証言からも、3年間訓練を積んできた兵士であることは間違いないようだ。
ただ…彼が「人間」なのか「巨人」なのか、その点について今は誰にも分からないのだった。
だから、数日後に行われる兵法会議によって、その辺りのことも話し合われるだろう。彼の今後の処遇を決めるために急遽開催が決定されたのだ。
その会議にはもちろん、エルヴィン団長を始めとして幹部兵士達が出席する予定になっている。今日早馬が来て、会議の予定を報告していった。
エレンは現在、審議所の地下牢で拘束されている。
憲兵団が彼の身柄を受け持っていて調査兵団には面会の許可が出ていなかったのだが、兵法会議開催の連絡と共にエレンへの接触の許可も下りた。
明日にはエルヴィン団長とリヴァイ兵長が、彼に会いに行くことになった。