第26章 兵長のおまじない
任務でやって来たついでに、ラウラに挨拶をしに来たのだと二人が説明をすると、フッと珍しくリヴァイが表情を緩めた。
「話せたのか?」
「はい!ちょうど休憩時間だったみたいで」
「そうか。それは良かったな。休憩時間じゃなかったら、アイツとは話せないからな」
「……??あっ、任務中だからってことですか?」
リヴァイの言葉に首を傾げる二人が、思いつきで言った言葉に、リヴァイは小さく首を振る。
「いや、そういう訳じゃねぇ。アレを見た方が早いだろう」
そう言ってスタスタと歩いていくリヴァイの後ろについて行くと、建物の影になって見えないようになっていた巨人の姿が二人の目に飛び込んできた。
突然の巨人の姿に、二人は思わず身構えてしまう。
「厳重に拘束してあるから心配ない。それより、そこを見てみろ」
リヴァイが指し示した先には、巨人から数メートル離れたところに置いてあるテーブルとイスがあった。
そしてそこにラウラが腰掛け、瞬きもせずに、ハンジが行う実験を見つめていたのだった。時折手元のスケッチブックに目を落として、猛烈な速度で描き込んでいる。