第26章 兵長のおまじない
「オーイ、ラウラ!そろそろ実験再開するよ~!」
その時、向こうの方からハンジ分隊長の声が聞こえてきた。
「はい!今行きます!」
私が返事をすると、ヘルゲとミアも言った。
「じゃあ、また!」
「実験頑張ってくださいね!」
「ありがとう!二人共、ケガお大事に。また話そう」
二人に手を振って、私はハンジ分隊長のもとへと駆けていったのだった。
〇
ラウラが実験に戻るのを見届けて、ヘルゲとミアも自分たちの持ち場へと戻るためクルリときびすを返した。
だが、振り返った先にリヴァイが立っていたので、驚きのあまり二人は僅かに飛び上がったのだった。
「お前らか。こんなところに何の用だ」
ラウラと全く同じことをリヴァイにも尋ねられる。
リヴァイがここに居合わせたのは偶然だったが、四六時中ラウラの側にいる彼なので、あながち偶然とも言えない。むしろ必然か。