• テキストサイズ

【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第26章  兵長のおまじない


 朝から始まった掃討作戦も、昼を過ぎる頃にはだいぶ進んで、壁に群がってくる巨人の数が少なくなってきた。
 壁上固定砲を絶え間なく稼働させたおかげだ。

 とりあえず数を減らしてから巨人の捕獲に移ることになっていたので、当初は私達討伐隊も榴弾を打つ作業に参加していたのだが、いよいよ巨人の捕獲作戦に移行することになった。



 壁の上に立ったハンジ分隊長が、双眼鏡を覗き込みながら辺りの巨人を物色している。


「あぁ~!どの子にしようかなぁ!迷うなぁ!とても選びきれないよ!ねぇラウラ、君はどの子がいいと思う?!」


 頬をうっすらと上気させたハンジ分隊長が、この上なく楽しそうに問いかけてきた。

 眼下を見下ろせば、巨人達が壁際に群がって、壁上にいる私達に向かってウゴウゴと腕を伸ばしている。届くはずもないのに、人間がいると反応してしまうのだろう。


 私はそれぞれの巨人に目を走らせた。
 確かにハンジ分隊長が悩むのも分かる気がする。こうやって改めて見ると、巨人と言えど人間と同様に、全く同じ個体は一つとして無いからだ。

 皆、顔も、身体の大きさも、性質もバラバラだ。どの巨人も、観察のし甲斐がありそうで、私まで悩んできてしまう。

/ 660ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp