第26章 兵長のおまじない
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兵長が率いるリヴァイ班は、私達ハンジ班が穴から壁内に入れるように周辺の巨人を排除した後、私達に続いて壁内に入ろうとしたそうだ。
しかし、まさに穴へ突入しようとしたその時、まるで手品のように穴の部分に壁が現れて、轟音とともにその空洞が塞がれてしまったという。
言うまでもなく、それは「エレン」が大岩で穴を塞いだせいだ。
「どうなってやがる…ちっ、壁を登れっ!!」
そうやって兵長達は立体機動で壁をよじ登り、上空から巨人を討伐するに至ったという訳だった。
兵長達が壁を登り始めたのとほぼ同時に、エルヴィン団長が率いる本隊も到着した。
「リヴァイ班に続いて壁を登れ!!壁内の巨人を掃討せよっ!!」
エルヴィン団長の指示を受けて兵士たちは次々と壁を登り、リコ班長ら精鋭班を救援するために駆けつけてきた駐屯兵団工兵部と共に巨人の討伐に尽力したのだった。
私が「エレン」達をつれて壁上に到着した時、そこには壁を登ってきたエルヴィン団長や調査兵団の兵士達の姿があった。
団長が次々と出す指示で、兵士達はそれぞれに散っていく。
「ラウラ!無事だったか!状況を教えてくれ」
まだ理解しきれていないことがほとんどだったが、私は見たことをすべて団長に話した。